2012-12-22
公演情報
平成時代劇 片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」公演にあたって
原案・プロデューサー 朝比奈 文邃
萬屋錦之介さんには四人の息子が居た。
その末っ子と私は中学一年生からの腐れ縁。自由奔放なその男は親父の背中を追って役者の道を選んだ。特に役者として売れる訳でもなく、勝手放題の出鱈目だった男。今年、彼の三回忌法要を営み、追善の供養をした。
彼が生前こよなく好きだったお祭りがある。「御会式」という仏教行事。
私が生まれ育った池袋で古くから続く、地元の連中にとって一年の中の大きなイベント。その派手さと威勢の良さで、お祭り感の非常に強い仏教行事である。この行事の特徴は何と言っても纏。纏を振る姿は粋で鯔背、太鼓のリズムが更にそれを演出する。
幼い頃に見ていた纏はとにかく格好良かった。そして纏の本来の由縁を知った時から、火の中を命懸けで纏を振るう男衆の精悍な姿が眼に浮かび、当時が偲ばれるようになった。
私も万灯講中を結成し、纏を振るようになってかなり経つが、秋冷の頃に行われるこの行事に、彼は毎年参加していた。手が不自由でも一生懸命太鼓を叩いて毎年この行事を心待ちにして盛り上げてくれた。そして、錦之介さんの「あばれ纏千両肌」を語り、親父に負けない役者になって、纏を勇壮に振る火消しの舞台をやろうとよく話したもんだったが…。
ああ、しんみりしちゃ〜いけねえな!
俺は坊主だ。供養になるかは知らねえが、ここはひとつ、あの頃の楽しい纏を振って、七難即滅 七福即生 善星皆来 悪星退散 溜まった穢れを洗い流して、晴々とした新たな年明けとしようじゃねえか。
さあ、2012年夏の旗揚公演「纏若衆〜木遣り唄〜」に続く
第二回公演 年忘れ公演 〜東雲編〜
第三回公演 新春公演 〜松風編〜
相変わらずの江戸火消しのお話。年末年始に「ざ☆くりもん」の纏が舞う。
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